下田に行ってみた(「夏色キセキ」聖地巡礼&隧道調査的な意味で) 隧道調査編
【ご案内】ただいま、数回の記事に分けて「下田に行ってみた(「夏色キセキ」聖地巡礼&隧道調査的な意味で)」をお送りしています。 導入編 も併せてご覧ください。
また、この記事は「隧道調査編」です。「夏色キセキ」の聖地巡礼には触れていませんのでご注意ください。「夏色キセキ」の聖地巡礼は次回の記事で書いていきますので、しばらくお待ちください。

途中、「夏色キセキ」ラッピングの2100系を撮影しつつ伊豆急下田駅に到着した私。
「夏色キセキ」ラッピングの2100系が次に伊豆急下田を発車するのは14時39分。意地でもこの列車には乗りたい! となると、私が下田にいられるのは残り3時間27分です。
そこで、先にさっさと隧道調査を終わらせてしまうことにしました。

伊豆急下田駅前を通る国道136号線を南西へ向かいます。この国道136号線は三島市が終点となっているので、私には馴染みがあります。もっとも、三島から100km以上離れていますが・・・。
調査する隧道は、この交差点の先にあります。それにしても暑い!

交差点を過ぎると、前方に山が見えてきました。隧道の気配がします。近づいてみると・・・

なんと深い堀割! 左側の建物と比較するとその深さが分かると思います。隧道にしてしまったほうが早いのではないかとも思ってしまうほどです。

堀割の先にはいよいよ隧道の姿が!(逆光のため見にくくなってしまいましたが・・・)
こんな所に筑波大学の実験センターがあるのはさておき、隧道に近づいてみましょう。

!?
カーブの内側にもう1つ隧道が! 隧道らしからぬ配色をしているのが気になりますが・・・。
それにしても、深い堀割の急カーブの先にいきなり隧道が現れるこの線形はかなり危険な気がします。反対側から来た場合は、隧道を出たらすぐに急カーブですし・・・。

とりあえず、大きいほうの隧道から調査します。
下田第1隧道、延長66,2m。素掘り隧道のようですが、坑口も含めて上からコンクリートが吹きつけられており、少し味気無い雰囲気です。また、扁額なども見当たりませんが、"隧道データベース"によれば竣功はなんと昭和14年! かなりの古参です。

そして、下田第1隧道のすぐ隣にあるのがこの隧道。扁額が無いので、隧道名や竣功年月、延長などが全く分かりません・・・。地図によってはこの隧道も車道用として描かれていますが、現状では歩道からのみ入れる隧道で、幅もせいぜい普通自動車1台分ギリギリくらいでしょうか。
それにしても、このカラフルな壁画は一体・・・

隧道内を歩いていると、壁画の正体が分かりました。この壁画、下田小学校と下田中学校の平成10年度卒業生が記念に描いたもののようです。ということは、少なくともこの隧道は平成10年には存在していたわけですね。

壁画の隧道を通り、反対側へ来ました。やはり2つの隧道は隣接しています。
そうなると、この2つの隧道は新旧の関係にあるのではないかという見解が出てきます。私も、地図でこの隣接する隧道を見た時はそうかとも思ったのですが、下田第1隧道が昭和14年竣功であること、壁画の隧道のほうが明らかに新しく見えること、車道用の隧道としてはあまりにも幅が狭く、高さが低すぎることなどから、新旧の関係では無いと思われます。
下田第1隧道周辺には小学校や中学校があるため、通学でこの隧道を通る児童が少なからずいるはずです。しかし、下田第1隧道は車道2車線分ギリギリの幅しかなく、歩道がありません。そのため、児童が安全に通学できるよう、後年になって新たに歩道用の隧道を掘ったのではないかと思います。隧道内の壁画は、歩道用隧道にお世話になった児童たちが安全に通学できたお礼として描いたものではないでしょうか。

下田第1隧道の坑口です。幅は2車線ギリギリで、おそらく大型車同士の離合には苦労すると思います。
1点気になったのが、坑口上部に斜めに入ったライン状の出っ張りのようなものです。この出っ張り、先ほどの下田側坑口にも存在していますが、一体何なのでしょうか。帯石のようなものなのかもしれません。

歩道用隧道の坑口です。この隧道、延長は下田第1隧道と同じくらいですが、両方の坑口付近でカーブしており見通しが悪いです。この妙な線形も、旧隧道である可能性を否定しました。歩道用隧道を掘った際、下田第1隧道に干渉しないよう一定の距離を保つために湾曲させたと考えれば、不思議なことではありません。

下田第1隧道を抜けた国道136号線は、一旦開けた場所を走ります。しかし、前方にはすぐに山が・・・

先ほどと巨大な堀割が出現したかと思うと、すぐに隧道が現れました。今度は歩道用隧道は無いような・・・

近づくと歩道用隧道が姿を現しました。今度は壁画も無く、至ってシンプルな歩道用隧道ですね。まぁ、それはいいんですけど・・・

この坑口の向きはおかしいだろ!w
こんな見通しの悪い隧道は初めて見ましたよ。車道用隧道だったらとっくに事故が起こってるレベルだと思います。車道用隧道に干渉しないように工夫した結果なのでしょうけど、もう少しマシな坑口にはできなかったのでしょうか。

車道用は、下田第2隧道、昭和14年竣功、延長47,4m。先ほどの下田第1隧道よりは延長は短いですが、外見はそっくりです。坑口上部の出っ張りもありますね。

歩道用隧道を通って反対側へ向かいます。こちらも下田第1隧道の歩道用隧道同様、両方の坑口付近でカーブしています。また、坑口付近以外は素掘りのコンクリート吹きつけになっています。
それにしても、坑口のすぐ脇を大型車が疾走していく光景はなかなか迫力があります。

反対側の坑口周辺です。こちら側も隧道直前まで堀割が続いています。

相変わらず坑口の向きがおかしい歩道用隧道w そういえば、なぜこの隧道には壁画が描かれていないのでしょうか。下田第1隧道からは至近距離にあって同じような隧道なのに、随分と対照的です。

第2下田隧道の坑口です。堀割と一体化したかのような不思議な形状になっていますね。コンクリート吹きつけなのが惜しいです・・・。というか、歩道用隧道が邪魔w

ここで少しまとめてみましょう。手描きの図で申し訳ございませんが、下田第1隧道と下田第2隧道の位置関係はこのようになっています(・印は信号のある交差点を示しています)。右上から左下へ向かって調査していきました。縮尺や道幅は正確ではないので、参考程度にご覧ください。
そういえば、図中の「?」マークなんですが・・・

写真は信号のある交差点付近から下田第1隧道を撮影したものです。見えにくいですが、赤丸の部分に穴があっちゃったり?

穴に近づいてもう1枚、やっぱり穴が開いちゃってますね。これは一体・・・。

明らかに人為的に掘られたと分かる、綺麗な四角形の坑口です。このあとに「夏色キセキ」聖地巡礼を控えていることもあり、隧道内へ踏み込むことはしませんでしたが、どうも10mほどで閉塞しているように見えました。坑口前は植物で埋もれており、いかにも廃隧道といった雰囲気ですが、坑口の位置が不自然ですし、どうも隧道とは関係の無い物のような気がします。
というわけで、最後に謎の穴を発見して探索は終了しました。
そして、次回はついに「夏色キセキ」の聖地巡礼編をお送りします。しばらくお待ちください。
また、この記事は「隧道調査編」です。「夏色キセキ」の聖地巡礼には触れていませんのでご注意ください。「夏色キセキ」の聖地巡礼は次回の記事で書いていきますので、しばらくお待ちください。

途中、「夏色キセキ」ラッピングの2100系を撮影しつつ伊豆急下田駅に到着した私。
「夏色キセキ」ラッピングの2100系が次に伊豆急下田を発車するのは14時39分。意地でもこの列車には乗りたい! となると、私が下田にいられるのは残り3時間27分です。
そこで、先にさっさと隧道調査を終わらせてしまうことにしました。

伊豆急下田駅前を通る国道136号線を南西へ向かいます。この国道136号線は三島市が終点となっているので、私には馴染みがあります。もっとも、三島から100km以上離れていますが・・・。
調査する隧道は、この交差点の先にあります。それにしても暑い!

交差点を過ぎると、前方に山が見えてきました。隧道の気配がします。近づいてみると・・・

なんと深い堀割! 左側の建物と比較するとその深さが分かると思います。隧道にしてしまったほうが早いのではないかとも思ってしまうほどです。

堀割の先にはいよいよ隧道の姿が!(逆光のため見にくくなってしまいましたが・・・)
こんな所に筑波大学の実験センターがあるのはさておき、隧道に近づいてみましょう。

!?
カーブの内側にもう1つ隧道が! 隧道らしからぬ配色をしているのが気になりますが・・・。
それにしても、深い堀割の急カーブの先にいきなり隧道が現れるこの線形はかなり危険な気がします。反対側から来た場合は、隧道を出たらすぐに急カーブですし・・・。

とりあえず、大きいほうの隧道から調査します。
下田第1隧道、延長66,2m。素掘り隧道のようですが、坑口も含めて上からコンクリートが吹きつけられており、少し味気無い雰囲気です。また、扁額なども見当たりませんが、"隧道データベース"によれば竣功はなんと昭和14年! かなりの古参です。

そして、下田第1隧道のすぐ隣にあるのがこの隧道。扁額が無いので、隧道名や竣功年月、延長などが全く分かりません・・・。地図によってはこの隧道も車道用として描かれていますが、現状では歩道からのみ入れる隧道で、幅もせいぜい普通自動車1台分ギリギリくらいでしょうか。
それにしても、このカラフルな壁画は一体・・・

隧道内を歩いていると、壁画の正体が分かりました。この壁画、下田小学校と下田中学校の平成10年度卒業生が記念に描いたもののようです。ということは、少なくともこの隧道は平成10年には存在していたわけですね。

壁画の隧道を通り、反対側へ来ました。やはり2つの隧道は隣接しています。
そうなると、この2つの隧道は新旧の関係にあるのではないかという見解が出てきます。私も、地図でこの隣接する隧道を見た時はそうかとも思ったのですが、下田第1隧道が昭和14年竣功であること、壁画の隧道のほうが明らかに新しく見えること、車道用の隧道としてはあまりにも幅が狭く、高さが低すぎることなどから、新旧の関係では無いと思われます。
下田第1隧道周辺には小学校や中学校があるため、通学でこの隧道を通る児童が少なからずいるはずです。しかし、下田第1隧道は車道2車線分ギリギリの幅しかなく、歩道がありません。そのため、児童が安全に通学できるよう、後年になって新たに歩道用の隧道を掘ったのではないかと思います。隧道内の壁画は、歩道用隧道にお世話になった児童たちが安全に通学できたお礼として描いたものではないでしょうか。

下田第1隧道の坑口です。幅は2車線ギリギリで、おそらく大型車同士の離合には苦労すると思います。
1点気になったのが、坑口上部に斜めに入ったライン状の出っ張りのようなものです。この出っ張り、先ほどの下田側坑口にも存在していますが、一体何なのでしょうか。帯石のようなものなのかもしれません。

歩道用隧道の坑口です。この隧道、延長は下田第1隧道と同じくらいですが、両方の坑口付近でカーブしており見通しが悪いです。この妙な線形も、旧隧道である可能性を否定しました。歩道用隧道を掘った際、下田第1隧道に干渉しないよう一定の距離を保つために湾曲させたと考えれば、不思議なことではありません。

下田第1隧道を抜けた国道136号線は、一旦開けた場所を走ります。しかし、前方にはすぐに山が・・・

先ほどと巨大な堀割が出現したかと思うと、すぐに隧道が現れました。今度は歩道用隧道は無いような・・・

近づくと歩道用隧道が姿を現しました。今度は壁画も無く、至ってシンプルな歩道用隧道ですね。まぁ、それはいいんですけど・・・

この坑口の向きはおかしいだろ!w
こんな見通しの悪い隧道は初めて見ましたよ。車道用隧道だったらとっくに事故が起こってるレベルだと思います。車道用隧道に干渉しないように工夫した結果なのでしょうけど、もう少しマシな坑口にはできなかったのでしょうか。

車道用は、下田第2隧道、昭和14年竣功、延長47,4m。先ほどの下田第1隧道よりは延長は短いですが、外見はそっくりです。坑口上部の出っ張りもありますね。

歩道用隧道を通って反対側へ向かいます。こちらも下田第1隧道の歩道用隧道同様、両方の坑口付近でカーブしています。また、坑口付近以外は素掘りのコンクリート吹きつけになっています。
それにしても、坑口のすぐ脇を大型車が疾走していく光景はなかなか迫力があります。

反対側の坑口周辺です。こちら側も隧道直前まで堀割が続いています。

相変わらず坑口の向きがおかしい歩道用隧道w そういえば、なぜこの隧道には壁画が描かれていないのでしょうか。下田第1隧道からは至近距離にあって同じような隧道なのに、随分と対照的です。

第2下田隧道の坑口です。堀割と一体化したかのような不思議な形状になっていますね。コンクリート吹きつけなのが惜しいです・・・。というか、歩道用隧道が邪魔w

ここで少しまとめてみましょう。手描きの図で申し訳ございませんが、下田第1隧道と下田第2隧道の位置関係はこのようになっています(・印は信号のある交差点を示しています)。右上から左下へ向かって調査していきました。縮尺や道幅は正確ではないので、参考程度にご覧ください。
そういえば、図中の「?」マークなんですが・・・

写真は信号のある交差点付近から下田第1隧道を撮影したものです。見えにくいですが、赤丸の部分に穴があっちゃったり?

穴に近づいてもう1枚、やっぱり穴が開いちゃってますね。これは一体・・・。

明らかに人為的に掘られたと分かる、綺麗な四角形の坑口です。このあとに「夏色キセキ」聖地巡礼を控えていることもあり、隧道内へ踏み込むことはしませんでしたが、どうも10mほどで閉塞しているように見えました。坑口前は植物で埋もれており、いかにも廃隧道といった雰囲気ですが、坑口の位置が不自然ですし、どうも隧道とは関係の無い物のような気がします。
というわけで、最後に謎の穴を発見して探索は終了しました。
そして、次回はついに「夏色キセキ」の聖地巡礼編をお送りします。しばらくお待ちください。
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そろそろ“2ちゃんねらー”の古参のラインを決めようぜ? どのあたりから古参よ?
1 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2013/02/22(金) 14:05:34.88 ID:ZTO1DCmHT● ?2BP(1920)四日市海上保安部で43年間にわたり活動してきた消防船「しようりゆう」が老朽化によ